佐藤輝の1発はすごかったですね。横浜スタジアムで、ライト後方の場外弾は見たことがありますが、右中間の場外弾は記憶にないですね。ものすごい力がないとあそこまで飛ばせません。松井秀喜でも筒香でもなかったんじゃないですか。本人も完璧過ぎるぐらいの感触だったのでは。阪神も2回以降点が取れず、次の1点をどちらが取るかという展開。試合を動かし、この回一挙6点を奪って勝負を決める、いろんな意味で大きな1発になりました。

仕留めたのは内角の甘めの球でしたが、他の投手には内角を厳しく攻められて打撃を崩され気味です。対策として、少しベースから離れて立ってみてはどうかと思います。インコースが甘く見える感じにです。その分、外角が遠くなりますが、元々アウトコースを打つのが得意なので、目付を外にしておけば対応可能でしょう。外角いっぱいにストライクを決められたら、ごめんなさいぐらいの感覚でOK。これがバッティングを崩さない、内角への一番の対処法だと思います。

打席の立ち位置を変えるのは勇気がいります。でも練習を重ねれば慣れが出ます。同じく内角が課題だったサンズも昨季、少しベースから離れて立つようになって成績を残しました。僕自身は現役時代、そこまで内角は苦にしなかったけど、内角に対応するために、年齢とともに後ろに下がりました。バッテリーもベースから離れたな、外が遠いぞとなって、得意の外への配球が増えたりもするでしょう。どれぐらい離れるかは、フィーリングで一番合った場所を探せばOK。まだ開幕13試合。試行錯誤を重ねてベストなスタイルをつくってもらいたいです。(日刊スポーツ評論家)