首位阪神は5シーズンぶりの7連勝を飾った。貯金11も就任3年目となる矢野燿大監督(52)政権下で最多。10試合を残して、早くも4月の月間勝ち越しに王手をかけた。
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阪神が序盤で主導権を握ることができたのは、1、2番コンビが機能したからだ。特に小川攻略の糸口になったのは近本のセーフティーバントだった。3回。ガンケルが中前打で出塁後、近本は1ボール1ストライクから試みたバントを三塁線にまんまと成功させた。
おそらく阪神ベンチのサインはバントではなかっただろう。近本もバントするそぶりをみせなかった。一塁走者が投手のガンケルで、最低でも近本がゴロを打つことで一塁に残って攻撃ができる意図が働いてもおかしくはなかった。
一方のヤクルトサイドもバントを想定していなかったわけではないが、カウントが1-1になった時点で強攻してくると読んだ。続く3球目を近本がセーフティーバントをやってのけてビッグイニングのお膳立てをしたということだ。
3回無死一、二塁。続く糸原が左越え二塁打で1点を加点。1、2番が打線のつながりを導いて大量リードを奪った。1回も近本、糸原、マルテの3連打から大山の犠飛で先制。1、2番がチームの勢いを加速させたといえる。
上昇気配が見えなかった近本だが、この4安打で気分的にも楽になったことだろう。20日から巨人との3連戦は、まだ相手は阪神に組みやすさを感じているはずだ。どちらが先に点を取るか。阪神は近本、糸原の2人が機能するかどうかにかかっている。(日刊スポーツ評論家)