阪神西勇輝投手が5回を6安打4失点と苦しみながらも3勝目。チームは8連勝で首位をガッチリとキープしている。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

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最終回は今季初登板になったエドワーズが1点を失った。9回表に大山の3号2ランで6点差がついていたから、そのまま逃げ切ることができた。

梨田 初登板とはいえ、エドワーズはこのまま戦力として計算するのは難しい。大山の本塁打が出ずに4点差のままだったらスアレスを投入していただろう。外国人投手は現状でガンケル、スアレスは外せない。打者はマルテ、サンズ、新外国人アルカンタラ、ロハスの加入も考えると、エドワーズは外れてくる。この一戦では、西勇を受けた岩貞、小林、岩崎の好投が勝利を導いた。

特に、6回から2番手でリリーフにでた岩貞が巨人に傾いた流れを止めた。

梨田 西勇を中5日で巨人戦にもってきたところに打倒巨人の気持ちが表れていたね。ただ前回14日の広島戦(甲子園)で8回127球を投げていたことを考えると疲れもあったか不調だった。だから5回で西勇から岩貞にスイッチしたのは好判断だった。

岩貞はいったん2イニング目になる7回のマウンドに上がったが、巨人が代打増田大を告げると、打者に対することなく3番手で右の小林がコールされた。

梨田 戦う上で、相手に代打要員を出させることで、ひとつのコマを消すことは必要なことだ。また岩貞に“イニングまたぎ”をさせずに済んだことで、カード2戦目も投入できるメドを立てた。これも見逃せない有効活用といえる。

巨人との直接対決は3勝1敗になった。

梨田 東京ドーム初戦をとったのは大きい。でもペナントレースを勝ち進むというのはまだまだ簡単なことではない。(日刊スポーツ評論家)