阪神にとって2年ぶりの交流戦は、重い1敗でのスタートになった。しかも自慢の“勝利の方程式”を崩された。
大石 阪神は出ばなをくじかれた。一方のロッテは“ここ”というところでたたみかけてくる。4番の安田に代打起用、代走、守備固めと、全員野球のベンチワークにひっくり返された感が強い。それも阪神にとって勝ちパターンの岩崎が打たれたのは痛かった。
1点リードの8回、岩崎が荻野に左前打、続くマーティンにスライダーを右越え2ランを浴びた。その後は岩貞もレアードの適時二塁打で2点差に開いた。
大石 岩崎の投球は本来のキレを欠き、ほとんどのボールが甘かった。荻野、マーティンに打たれたのも甘い球だ。交流戦前の最終になったヤクルト戦(19日、甲子園)でも失点しているし調子は下降気味だ。次回も同じシチュエーションになれば登板するだろうが、このままの状態が続けば計算が立たなくなる。8回を岩貞に任せるわけにはいかないだろうし、少し心配になってくる。
逆に、阪神打線はロッテのリリーフ陣にチャンスの芽を摘まれていった。二木の後を継いだ、大嶺、佐々木、唐川、益田から得点できなかった。
大石 阪神の各打者が振れてないということではないから悲観することはない。これからパ・リーグの好投手を打ち崩せるかどうか。マルテ、サンズに本塁打、復帰してきた大山もヒットを打ったので前向きにとらえたい。ここは切り替えるしかない。(日刊スポーツ評論家)【取材・構成=寺尾博和編集委員】