あくまでも個人的な話だが、今シーズンでひそかに注目していたのが、楽天の則本昂大だった。

この3年間の成績は計14勝13敗。そして今季はメジャーから田中将が復帰し、即戦力左腕のルーキー早川も加入。想像通り、今季初先発は開幕5試合目だった。かつては“エース”と呼ばれた則本昂の奮起が、打倒ソフトバンクのカギを握ると思っていたし、ここまで期待通りの成績(4勝)を挙げていた。

前日25日は岸で敗戦し、負けられない1戦だった。打線は2回に1点を先取し、3回には3者三振のピッチング。もともと1球1球の球質や球威は、球界屈指のピッチャーだと思っていたので、今季の復調を感じさせる内容だった。

ところが、好調時でも見られた“悪癖”まで復活していた。4回1死一塁から岡本和に逆転2ランを打たれ、続くスモークに四球を与えると、投球が一気に単調になった。2死から若林と大城に初球を連続本塁打された。

則本の“悪癖”とは何か? ピッチングが単調になり、不用意な1球を痛打されたり、突如連打を浴びたりする。則本昂に対する相手打線の攻略法を考えてほしい。奪三振が多く、真っすぐでも変化球でも空振りが狙える。こうした投手に対し、打者は「追い込まれる前に勝負」がセオリーになる。4回は先頭ウィーラーが初球を打って三ゴロ。吉川は1ボールからのファーストストライクを中前打。2ランの岡本和が初球を打っている。相手打線がセオリー通りに打ちにきているのに、スモークの四球を挟んで丸(二飛)、若林、大城はすべて初球を打たれていた。

(1)調子がいいから単調になる。

(2)打たれたショックで四球。

(3)再び単調になって痛打を浴びる。

則本がどう思っていたかは分からないが、こうなると相手打線の思うツボ。岡本和の2ランは、内角低めの見逃せばボールになるチェンジアップをすくい上げるようにうまく打たれたもの。せめてここで気持ちを切り替え、踏ん張り切れれば結果は違っただろう。結果論ではなく、則本昂には乗り切れるだけの力量があるだけにもったいなかった。

打倒ソフトバンクには、則本昂の存在は不可欠。エースの金看板を取り戻すためにも、弱点を克服して全盛期を越えるピッチングを見せてほしい。(日刊スポーツ評論家)