中日に競り勝った阪神をはじめ、巨人、ヤクルトの上位3チームが負けることはなかった。

山田 この1勝で阪神はちょっと一息つける。巨人に連敗し、カードが変わってここで“頭”を取れないと、今までの野球ができなくなる可能性があるかもしれないと思って見ていた。大野雄は立ち上がりの3回までに点を取らないと苦しくなるからうまく攻めた。

リーグ戦再開となった巨人3連戦に負け越し。巨人、ヤクルトとは6ゲーム差に詰まって、ビジターでの中日戦だった。

山田 巨人、ソフトバンクなどと違って、阪神は首位をずっとキープし続けた経験が乏しい。だから相手チームを離せば離すほど座り心地がいいが、詰められてくると、それまでうまくいっていたものがうまくいかなくなって、座り心地が悪くなるものだ。試合数、ゲーム差を考えると慌てなくていいが、この流れの中で敗れると少し浮足立ったかもしれない。だから3連敗は避けたかったし、接戦をモノにできたのは大きい。それと岩崎に兆しが見えてきたね。

疲労から1軍復帰2戦目の岩崎が8回、代打福田を一飛、代打郡司を空振り三振、大島を粘られた末に空振り三振に仕留めた。

山田 まだ岩崎らしい制球力は感じないが、ストレートの勢いが戻ってきている。復調の兆しといっていいだろう。休息を与えたのがいい方向に出たかもしれないね。スアレスは1点で十分といった感じで見下ろして投げてるし、岩崎が「8回」にはまれば、6、7回でいろんな投手起用ができる。また先発を引っ張った試合はこの2人を休ませることもできる。この中日戦のように僅差で勝つのもいいが、今後はできるだけ引き離して勝つゲームを何試合できるかも大事になってくる。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

中日対阪神 8回裏の中日打線を抑え、表情を変えずにベンチへ戻る阪神岩崎(撮影・前田充)
中日対阪神 8回裏の中日打線を抑え、表情を変えずにベンチへ戻る阪神岩崎(撮影・前田充)
中日対阪神 中日に勝利しエアタッチするスアレス(中央)ら阪神ナイン(撮影・加藤哉)
中日対阪神 中日に勝利しエアタッチするスアレス(中央)ら阪神ナイン(撮影・加藤哉)