巨人の攻撃中、無死二、三塁で降雨コールドゲームとなり、阪神が首位攻防3連戦の初戦を取った。

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天にも味方された阪神の1勝だった。7回表。秋山が無死二、三塁にされた場面で中断し、結局は打ち切りが決まった。

梨田 あそこから何が起きていたかは分からないが、原監督は納得がいかないだろうし、阪神にはツキがあったといえるだろう。ウィーラー、坂本がエラーをしてくれて、あそこで降雨コールドだからついていたね。

前日8日のヤクルト戦(神宮)の逆転勝利も、レフト青木が凡フライを落球したのが発端だった。

梨田 ヤクルトに勝ち越した試合が大きかった。サンズ、大山、佐藤輝らの内容が良くないからチームとしては苦しいところだ。相手のエラーも含めて効果的な点が入ったが、秋山が踏ん張った。4回の岡本和にはインコースをうまく使った後で見逃し三振にとった外角ストレートは素晴らしかった。6回の坂本に対しては、想定していないカーブで仕留めた見逃し三振は配球の勝ちだった。矢野監督も正直、ほっとしていることだろう。

秋山は4日の広島戦(マツダスタジアム)で3回46球で投げ終え、3-2の4回表2死二、三塁で代打原口を送られていた。チームは逆転負けを喫したが、その一戦から中4日の先発だった。

梨田 あり得ない交代だとみていた。秋山は少なくともゲームはつくるし、現時点で西勇よりも安定しているから、まさかの降板だった。おそらく矢野監督も後悔しているだろうと思っていたから、秋山が期待に応えた形になった。カード2戦目は先発伊藤将がどこまで投げきれるか。ここから阪神が首位の座を確固たるものにしていくには、計算のできる右のリリーフにメドを立てることができるか否かにかかっている。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】