まるで前日の中日戦と同じゲームを見せられているような阪神の連敗だ。カード2戦目になった一戦でもミスが顔を出した。またそれが失点につながって敗れた。

そもそもエラーが多いのは油断しているわけではない。プロがやってるわけだから。でも、これだけミスが多いと打線も乗ってこない。逆に相手の中日に気分良く戦わせてしまった。

阪神の場合は「記録に表れないミス」が目立っている。4回。7番堂上の右前に転がった打球を佐藤輝がもたついて、打者走者を二塁に進めてしまった。これは完全なエラーだろう。

続く溝脇の一塁側へのセーフティーバントがセーフになった。この一連のプレーではやはり二塁手糸原のベースカバーが遅れている。無死一、三塁のピンチになった直後、代打福田に2点二塁打を浴びてしまった。

このバント処理の場面は記録的に「失策」はつかない。しかし、打者には「安打」が記録されるわけで、先ほど述べたように、相手チームを気分良くさせて勢いづけた。

どのチームにも言えることだが、東京五輪開催で約1カ月間の中断期間を経て、レギュラーシーズンの再開後、ここにきてちょっとした疲れが見え隠れしているようだ。

阪神は自分たちの流れに持ち込めなかった。優勝するにはこのミスを止めないといけないが、いまさら上手になれといっても無理な話。とにかく止められるミスだけは止めるべきだ。

巨人もふらふらした戦いをしている。阪神は打線もしぶとく、リリーフから抑えがしっかりしているから優位に戦える。同一カード3連敗だけは絶対に避けなければいけない。(日刊スポーツ評論家)