阪神糸井嘉男外野手(40)の存在感を示す打撃が頼もしく映った。5回2死二、三塁。代打で登場し、中日の左腕岡田の1ストライクからの高め直球をセンター前にはじき返した。チャンスの場面で一振りで決めるあたりは、さすがと思わせるものだった。

ロハスとの比較だが、長打力では糸井に軍配が上がる。このところロハスも結果を出しているが、打撃に“穴”がみえて、長打力の点で迫力を欠く。6、7番に据えて相手チームに“怖さ”を与えるのは、糸井のほうだろう。

7回無死一塁から放ったライトフライもやや詰まった当たりだが、スタメンで出場していれば結果は変わっていたかもしれない。また外野の守備範囲などを考慮した場合も、レフトであれば負担も軽減されるはずだ。

現時点での起用をうかがっていると、ロハスの評価が上がっているようだ。しかし、ヤクルトとの開幕戦に糸井の勝負強さは捨てがたい。少なくともシーズンを通して、うまく休ませながら使いたいものだ。

また先発藤浪はすっぽ抜けたボールもあったが、まとまっている印象を受けた。ただ4回に先頭の根尾を3-2からカットボールを投じて四球をだした。自信のある球種を選択したのだろうが、あの場面は結果はともかくストレートで押してほしかった。

中日のオーダーをみてもわかるように、主力の大島、京田らを欠き、フルメンバーではなかった。投げてみないとわからないイメージは拭い去れないが、うまく開幕に入っていってほしい。(日刊スポーツ評論家)

阪神対中日 5回裏阪神2死二、三塁、代打糸井は中前適時打を放つ。投手は岡田(撮影・加藤哉)
阪神対中日 5回裏阪神2死二、三塁、代打糸井は中前適時打を放つ。投手は岡田(撮影・加藤哉)
阪神対中日 5回裏阪神2死二、三塁、代打糸井の2点適時打に盛り上がるベンチのナインたち(撮影・加藤哉)
阪神対中日 5回裏阪神2死二、三塁、代打糸井の2点適時打に盛り上がるベンチのナインたち(撮影・加藤哉)