ガンケルの投球内容は“格”の違いをみせつけるものだった。7回から3イニングを投げ切ったが、ゆったりしたフォームからボールを動かした。オリックスの各打者にカットボールでファウルをかせぎ、ストレートでスイング、ツーシームでゴロを打たせた。

ひょっとしたら先発としては調整が間に合わないが、開幕からリリーフでスタンバイさせるのかと思わせるほどの安定感だ。首脳陣の考えはあくまでも先発起用するようで、ファームで調整を続けるという。スタミナさえ万全になれば、早い段階で1軍昇格を果たすだろう。

また先発小川は、3回に無死一、二塁のピンチを招いたが後続を断ったところに成長がうかがえた。全力投球するリリーフと違って、先発として落ち着いた及第点をつけられるピッチングだった。

ただ5回は2死から連続四球を出した後、4番杉本を三振にとったが、本番になればリリーフ投入が考えられる場面だ。ベンチが6回も続投させたのは、小川の可能性を探りたかったのだろう。先頭宗に右越え本塁打を許したのは反省点になった。

阪神は近本、糸原を下げるなど、対サウスポーを想定したツープラトン用の打線で臨んだ。3、4回に得点に成功したが、逆に宮城-伏見のオリックスバッテリーの配球に疑問符がつくイニングでもあった。(日刊スポーツ評論家)

阪神対オリックス ガンケル(右)を迎える矢野監督(撮影・前岡正明)
阪神対オリックス ガンケル(右)を迎える矢野監督(撮影・前岡正明)