DeNAとの初戦、阪神はいかに青柳が本来の投球スタイルで投げることができるかにかかっている。

好調時のように低めに制球しながらゴロを打たせる投球ができれば、簡単に失点はしないはずだ。

ただし、この低めを見極められると苦しくなってくる。相手の各打者はゾーンを上げてくるだろうから、「内外」「高低」にコントロールが甘くなることは避けたい。

主力が当たっているDeNA打線は活発で、特に4番牧らの主軸を抑えることができるかどうか。いかに先に点を与えずに、今までのような我慢の投球ができるかだ。

打つほうは、近本の復帰でベストメンバーで臨むことができるのは大きい。近本、佐藤輝、大山のクリーンアップがそろうから、早めに先発ピッチャーを援護したい。逆にDeNAの戦い方を考えると、阪神の得点力をできるだけ上げないために、クリーンアップの前に塁をためないことを徹底してくるはずだ。

阪神は1番中野、2番島田の出塁は攻撃面のカギを握っている。言うまでもないが、チーム全体として無駄な四球、エラーなどのミスは、最少にとどめたい。

そして、抑えについてだが、スアレスがいた昨シーズンのような安定感はない。シーズンは残り28試合で、だれかの調子が上がってくるのを待っている余裕はない。現状では岩崎とケラーのその日のコンディションを計りながら、相手打者の左右など、状況に応じてつぎ込む戦略で乗り切りたい。(日刊スポーツ評論家)