痛恨のドローに終わったオリックスは、「9回」に不安材料があることをさらけ出した。3点リードで9回裏を迎えたわけだから勝ち切らないといけなかった。

9回投入の阿部が土壇場で追いつかれた。宮本の中二塁打と四球で無死一、二塁から、代打内山に左越え3ランを浴びた高めのストレートは失投だった。

オリックスが「ストッパー」として起用する人材はポイントだった。平野佳か、阿部か、またはワゲスパックか…。中嶋監督が決めかねているように感じた伏線は、シリーズ初戦に見え隠れしていた。

前日22日の一戦は、2点差とはいえ、負けている展開で、7回に阿部、8回には平野佳を投入。想像するに、阿部は試運転の意味合いがあったのかもしれないが、いずれも好調とは言いがたかった。

特に平野佳は、4番村上にソロ本塁打を浴びてしまった。この日の第2戦ではブルペンから外れるわけだが、抑え役は決め手に欠いたまま、暗中模索の状態だったのではないだろうか。

オリックスは、懸案を引きずったままの第2戦だったわけだ。そこで中嶋監督は先発山崎福の4回交代を決断し、山崎颯につなぐなど、短期決戦ならではの早めの継投に勝機を見いだした。

ただ山崎颯に2イニングを託したからには、続く3番手宇田川にも7、8回を任せるだろうと思ってみていた。9回はワゲスパックを起用する青写真を描いたかにみえたが、最後は阿部にこだわったというわけだ。

第3戦以降もオリックスの命運を握るのは「9回」になる。平野佳、阿部らにもチャンスを与えるだろうし、逆にここが固まればヤクルトを突き放すこともできるはずだ。(日刊スポーツ評論家)

ヤクルト対オリックス 12回のボールデッドについて抗議するオリックス中嶋監督(撮影・和賀正仁)
ヤクルト対オリックス 12回のボールデッドについて抗議するオリックス中嶋監督(撮影・和賀正仁)