首位阪神が2位広島に勝ち、ゲーム差を1に広げた。

1-1の同点の6回、3番森下翔太外野手(22)が、決勝打となる3号2ランを放った。広島3連覇監督で日刊スポーツ評論家の緒方孝市氏(54)は1番近本光司外野手(28)の存在感を解説した。

  ◇  ◇  ◇

球宴前の阪神は先発投手ががんばっても、得点力不足で粘り負けていた。その要因としては、近本が負傷で離脱したのが大きかった。それが球宴明けのチーム成績は5勝2敗1分け。近本の存在感はやはり光っている。

この試合でも2度の得点に絡んだ。同点に追いつかれた直後の6回には先頭で右前打を放ち、出塁。バントで送るのか、エンドランやスチールなど機動力を使うのか、いろいろ選択肢がある中で、ベンチは中野に打たせた。カープのバッテリーからすれば、いろいろ考える場面。一塁走者の近本を意識して、けん制を入れたり、クイックモーションで間合いを速めたり、投手にとっては、すごく神経を使う作業が続いた。

結果的に中野は三振で進塁できなかったが、3番森下の打席も同じだ。近本がいつ仕掛けるのか。クイックでの初球、大瀬良のストレートはやや甘く入った。打った森下が立派だが、近本の強烈な存在感、一塁走者でプレッシャーをかけたことが呼び込んだと言ってもいい。

もちろん、送りバントも選択肢もゼロではなかっただろう。ただ中野の打たせても、併殺打になる確率は低い。進塁できなくても、主軸の打席でバッテリーが油断すれば、足で力勝負もできる。いろんな作戦を実行できる1、2番だ。近本復帰で打力が上がれば、勢いのあった前半戦の戦い方が見られるはずだ。

首位攻防戦は阪神の2勝1分けに終わったが、カープも果敢に機動力を発揮。粘りのある攻撃を見せた。阪神と似た戦い方で、結果は紙一重。菊池、西川不在の中で10連勝を記録しており、主力復帰でベストメンバーを組めれば、得点力はさらに上がるだろう。

最後に1点。8回は小幡の悪送球から一打同点のピンチを招いた。野球にミスはつきものだが、優勝を狙う上で、ワンプレーが大事になる。

阪神対広島 3回裏阪神1死一、三塁、近本は二盗を決める(撮影・加藤哉)
阪神対広島 3回裏阪神1死一、三塁、近本は二盗を決める(撮影・加藤哉)