勝てば2位でCS出場が確定したソフトバンクが、勝てる試合を引き分けにしてしまった。2点ビハインドを3回に逆転し、4回と5回にそれぞれ1点ずつ追加。5回まで3点をリードしながら勝てなかった。

痛恨の6回裏だった。先発のスチュワートは2番から始まる打順だが、完璧な内容で2アウトを取った。しかし4番の浅村に対してストレートの四球。この四球の内容を軽視してはいけなかった。

2アウトからの無走者で、打席に立つ浅村は一発を狙っていただろう。ただでさえ、本塁打のタイトルを争っている。ここから連打で得点を奪いにいくより、自らのホームランで得点を狙った方がいいと考える4番打者は多い。ソフトバンクバッテリーも、初球は低めのスプリットを選択。ファーストストライクからストライクゾーンに入ってくる球を積極的に打つ浅村の攻め方として、間違いではなかった。

しかし、初球のスプリットを振らずにボールになった時点で、考え方を変えなくてはいけない。この場面、一番やってはいけないのが四球。結果的にソロを打たれても仕方ないと開き直らなければいけない。それなのに2球目の外角カーブがボールになると、3球目も低めのスプリットを選択。3ボールになり、4球目の真っすぐが高めに抜けて四球になった。この時点で状況判断を間違えているバッテリーを、このまま続投させるのは危険だった。

普段の試合であれば、ここでリリーフを送る必要はない。それでも残りは今試合を含めて2試合。3日間、試合間隔が空いているし、翌日も試合はない。スチュワートに絶対的な信頼をおいているなら分かるが、ここまで3勝6敗の投手。ブルペンは惜しみなくリリーフを送り出せる状態であり、今試合のポイントは継投に踏み切るタイミングだけの状況だった。

リリーフを送らずに、続く岡島に左前打。ここでもリリーフを送らずに、辰己の初球に投げたのは内角の真っすぐ。辰己は積極的に打ってくるタイプだし、長打だけは絶対に避けなければいけない状況。ここでの内角真っすぐは、無謀な攻めと指摘されても仕方ない。左打者が2人も続くだけに、無謀な続投でもあった。

浅村への四球の後は「あと1アウトだからなんとかなるだろう」という考えがあったと思う。いつも2イニングに1個は四球を与えるスチュワートだが、今試合ではここまで無四球だった。そんな展開も、継投が遅れた理由になったのかもしれない。悔やまれる継投になった。(日刊スポーツ評論家)

楽天対ソフトバンク 2回裏、楽天浅村の打球を受け気にするスチュワート(撮影・たえ見朱実)
楽天対ソフトバンク 2回裏、楽天浅村の打球を受け気にするスチュワート(撮影・たえ見朱実)