1点リードでしのぎ切りたかったDeNAにとり、この試合運びこそ、4位に甘んじるチームスタイルが如実に出ていた。特に8回表の守りに改善点がはっきりと出ていた。

1点リードの8回2死一塁。打者坂本で山崎はフルカウントから左前に運ばれた。ここでDeNAの一、三塁はライン際を締めていた。これは一塁走者を絶対にかえさないため。だが、肝心の左翼佐野が中継の遊撃林へ正確に送球できなかった。

記録には残らないが、これはミス。佐野がきっちり中継に返していれば、私には本塁はアウトのタイミングに見えた。そして見逃せないのは巨人亀井コーチャーが吉川を本塁に突っ込ませたことだろう。つまり、ここは勝負手として行かせた側面もあり、DeNAの中継ミスを織り込み済みだったかもしれない、ということだ。

DeNAにはスタイルがある。打ち勝つというポジティブな部分もあれば、犠打が少ない、併殺が多い、さらにエラーも多いといういくつかの要素も絡む。そうしたマイナス面は打ち勝つことで目立たないが、勝率5割を切り4位低迷では、そうも達観していられない。

この試合も初回、2回と先頭打者が出塁も、いずれも併殺でつぶした。まさに、打つまで待とう、の野球スタイルだ。しかし、秋口が近づき、そうした試合運びも見直すべきタイミング。

3位阪神とは3・5ゲーム差。今後阪神がここまでと同じ勝率5割2分前後と仮定した場合は70勝67敗6分け。DeNAが70勝するには残り35試合を19勝16敗以上が求められる。計算上は5割4分近い勝率だ。

となれば、これまでのスタイルでは苦しい。1つ順位を上げるのはまだ可能性はある。だが、自分たちのスタイルに固執しては勝機を逃す。現実的な勝機とはAクラスに食い込みCSを目指すことだろう。

9回、無死一塁でバントを選択している。だが、菅野相手に戦前からロースコアは予想された。序盤での先制が重要だった。ましてや前日も1点を考慮すれば、立ち上がりからバントする臨機応変さも、今のDeNAには必要に映る。

梶原の1点で勝ちきろうとしたのは理解できるが、今の守備の精度ではそれも厳しい。勝ち試合を追いつかれたこの日をいい機会と捉え、スタイルを崩す勇気を持つ時期にさしかかっていると感じる。(日刊スポーツ評論家)