開幕から5連敗し、いまだに勝ち星が挙げられない中日だが、ドラフト1位の中西が先発デビューして5回1/3で4失点。残された数字を見て手放しで褒めるわけにはいかないが、ローテーションに入って投げるだけの実力は備えていると感じさせる内容だった。
立ち上がりは、さすがに焦ったと思う。巨人の先頭打者のキャベッジにはカウント1-2から低めの真っすぐをレフト前に打たれ、続く松本には0-2から内角高めのすっぽ抜けフォークをライト前にはじき返された。松本へのフォークは意図した球ではないだろうが、キャベッジに打たれたヒットとともに、アマチュア時代ならヒットにされなかった球だろう。そして泉口には3-1からストライクを取りにいった真っすぐをセンター前タイムリーにされ、1アウトも取れずにプロ入り初失点になった。
その後、三振で1死を取ったが、佐々木に不運なポテンヒットタイムリーを打たれて3失点。門脇の投ゴロを二塁へ悪送球するなど、明らかに動揺していた。
デビュー戦でもあり、本当の評価を下せるのは次回の登板になると思った。しかし初回を3失点で切り抜けると、2回以降は本来の力を発揮。味方打線が1点を返した直後の4回表は3者連続三振。チャンスをものにできなかった直後の5回表は、2番から始まる打順で3者凡退。表情にも柔らかさが出て、制球力のいい本来のピッチングを見せてくれた。
真っすぐは150キロをマークし、安定して140キロ台中盤から後半の球速を出せる。やや、決めにいった球が引っかかったり、抜けたりしていたが、自らで考えてメリハリをつけたピッチングができる証拠だろう。捕手のサインに首を振ったときも、投げた球種に偏りはなかった。新人らしからぬクレバーさを備え、スタミナもありそうだった。
中日は投手力がいいと言われているが、年齢的に上がり目のある先発投手は意外に少ない。しかしここに中西と2戦目で先発して好投した桜井のルーキー2投手が加われば話は違う。1年間を通しての活躍は厳しいかもしれないが、高橋宏と金丸の2枚看板に加え、柳、大野、涌井、松葉のベテラン4投手でやりくりすれば1年間を通した戦いは十分にできる。
むしろこの試合で気になったのは、じっくりとした育成ができるかどうか。5回を投げて84球で、その裏のイニングで打席が回ってきた。2点負けていたし、デビュー戦だと考慮すれば代打でいいと思っていた。しかしそのまま打席に立って次のイニングもマウンドへ向かった。そして1死からソロを打たれ、ヒットを打たれてイニング途中で降板した。厳しく育てるならこのイニングを任せてもいいし、自信をつけさせるなら5回の降板でよかった。結果的に打たれて降板した形になったのが残念だが、この悔しさをバネに次回のピッチングも注目していきたい。(日刊スポーツ評論家)




