お立ち台で笑顔を見せる小窪哲也(撮影・栗木一考)
お立ち台で笑顔を見せる小窪哲也(撮影・栗木一考)

<広島3-2中日>◇23日◇マツダスタジアム

新井の穴は簡単に埋まらない。広島ゆかりの戦国武将・毛利元就は3人の子に「三子教訓状」を書いたというが、今年の広島は「3つの矢」が束となっている。最年長石原、選手会長会沢、そしてこの日サヨナラ打の小窪だ。

3人は昨年まで最も多く新井の教えを聞いた選手だった。グラウンドで、ベンチで、そして球場外でも。それを今年は若手に伝える役割になった。新井ほどの経験や実績、包容力などはないかもしれない。それでも3人が力を合わせ、チームを正しい方向へ導く努力を重ねてきた。5連勝の流れは3人がつくった。17日巨人戦で石原が決勝打を放ち、連敗ストップ。19日は会沢が初のサヨナラ打で今季初の連勝。この日は小窪が、連勝を5に伸ばした。「1戦1戦。目の前の試合を全力で頑張る」と小窪。発言まで新井に似てきた。

石原と会沢はともに捕手で、1月には護摩行する師弟関係。小窪が12年目で初のサヨナラ打を放ったバットのグリップエンドには2人と同じ最福寺の阿字ステッカーが貼られていた。3人は束となり、広島に勢いをもたらした。【広島担当 前原淳】

護摩行に取り組む広島会沢翼(左)と石原慶幸(2018年1月11日撮影)
護摩行に取り組む広島会沢翼(左)と石原慶幸(2018年1月11日撮影)