東京オリンピック(五輪)で一躍、名を挙げたのは日本ハムのドラフト1位右腕、伊藤大海投手(23)だった。侍ジャパンからチームに戻った後、取材機会に恵まれた。伊藤は囲んだ記者たちに、とあるお願いをした。
伊藤 これ天パです。天パって書いておいてください。みんなパーマだと思っているんで。書いておいてください。「髪は天パです」って。
天パとは「天然パーマ」の略。大きくウエーブしている髪は、伊藤自身の髪質。決してパーマをかけたわけではなく、自然とうねっているという。
東京五輪期間中は「#追いロジン」というキャッチーなフレーズも生み出し、度胸たっぷりの投げっぷりは野球ファンを魅了した。それに加えて、帽子からワイルドにあふれ出るえり足も多くの人の印象に残ったのではないだろうか。
おそらくシーズン開幕前の3月に1度、散髪しているはずだが、それ以降は髪を伸ばし続けている。前半戦は6連勝フィニッシュで、験担ぎの面もあるのか。問われた伊藤は、笑顔でやんわりと否定した。
伊藤 全然ないです。ただただ、わけ分からないとこを目指している。
“わけ分からないとこ”を目指す理由はチームの先輩、西川からの“リクエスト”があったから。「遥輝さんに『もうちょっと、わけ分かんないところまで伸ばして』って言われたので、整えながら伸ばしていこうかなと」と、どこか楽しみながら先輩の期待に応えようとしているそうだ。
もっと髪が長かった時もあった。苫小牧駒大に再入学した直後の1年間だ。「大学で投げてない期間はもっと長かったですよ。その時はたぶん、シンプルにお金がなくて髪を切りに行けてなかっただけなんですけど。その時は前髪が(あごの下に手をあてて)ここまでファ~っときていたので」とニコニコしながら当時を振り返り、「それを超えていきたいなって」と、えくぼを浮かべてニヤリ。こんな柔軟なコミュニケーション能力は、東京五輪でも発揮した対応力の高さに通ずるものがある。
整えながら伸ばしていく髪の毛には今後も要注目だが、後半戦で自身の連勝や勝ち星をどこまで伸ばせるかも大きな注目を集める。もっと言えば、実力が広く認知された中で、今後の野球人生をどう歩んでいくのかも興味深いが、髪の毛と同じように、わけ分かんないところまで周囲の想像を超えていってほしい。【日本ハム担当=木下大輔】




