甲子園の熱戦は準々決勝が終了。野球評論家の西本聖氏にプロ注目の4投手をテレビ観戦でチェックしてもらった。

 浦和学院・渡辺勇太朗(190センチ、90キロ、右投げ)

 金足農・吉田輝星(176センチ、81キロ、右投げ)

 大阪桐蔭・根尾昂(177センチ、78キロ、右投げ)

 大阪桐蔭・柿木蓮(181センチ、85キロ、右投げ)

 -浦和学院・渡辺は大阪桐蔭打線との対戦が注目されたが3本塁打を浴び敗れた

 西本氏 打たれはしたが良いカーブも持っているしタイミングや打者の狙いをうまく外せば抑えられたかもしれない。バランスの良い投げ方をしているし楽しみな選手。基本的な投げ方というのが100%か、それに近い形でできている。立ち方も良いし、右腕の使い方がうまい。二塁ベースの方向に真っすぐ、真後ろに入る。テークバックも小さい。肘の使い方もいいし手首も柔らかい。下半身の使い方も悪くない。体重がしっかり右足に乗って、何よりも一番大事な間がしっかり取れている。今後は、体幹を鍛え、レベルアップしていけばさらに良くなる。それと大阪桐蔭戦の敗戦から何を感じるか。今回の負けをどう生かしていくか。ぜひ生かしてほしい。

 -大阪桐蔭の根尾、柿木はどうか

 西本氏 2人に共通しているのは腕の振りが良いこと。大阪桐蔭は、まず腕を振るという指導をしているのかもしれない。腕を振るというのはけっして悪いことではないが、バランスを崩しやすい。確かにスピードは出るがコントロールという点でどうか。6~7割が腕を振ることで、あとはボールに聞いてくれと。それも1つの投げ方だが、私が一番大事だと思うのはやはりコントロール。

 -金足農・吉田について。4試合連続2桁奪三振をマークした

 西本氏 右腕の使い方がとてもいい。肘の使い方、手首の柔らかさ。だからあれだけスピンの効いたボールが投げられる。ただ、力を入れて投げたときにどうしてもバランスが崩れる。高めに抜けるケースが多い。プロは高めのボール球は振ってくれない。投げ方としてはむしろ140キロ前後のボールの時の方が良い。あとは右足のタメ。右足に体重が乗っている時間が短い。1、2、3ではなく1、2の3。跳ぶような投げ方は見た目は良いが打者はタイミングが取りやすい。いかに間をつくることができるか。そこが課題と言える。

金足農・吉田
金足農・吉田