敵地マツダスタジアムでマークした今季42勝目は相当大きな勝利ではないか。打線は島田海吏の“ビックリ弾”で先制したが2点目は前川右京の安打を左翼・西川龍馬がはじいた適時失策によるものだ。好投手・森下暢仁を相手に5安打2得点に成功したとはいえ、4回以降は無安打で得点はそれだけ。負けていてもおかしくない内容だったかもしれない。

そこを勝てたのは大竹耕太郎の好投に尽きる。制球の良さを武器に間合いを変えたりしながらここまで3勝をあげている広島打線を完封。特に7回2死一、二塁で試合前まで5打数3安打と相性の悪かった会沢翼を真っすぐで押し、三振に切ったのはしびれた。

伏兵の1発弾で生まれた流れを左腕エースの好投で完成させた試合。そこにもう1つ、加えたいのは守備である。それは4回1死一塁で田中広輔を二ゴロ併殺に打ち取ったシーンだ。

2-2の平行カウントから大竹は真ん中外より低めに投げたストレートを打たせ、二ゴロ。それほど強い当たりではなく、一瞬、どうするかと思ったが中野拓夢が処理すると素早くターンして二塁カバーの遊撃・木浪聖也へ。木浪も流れるようなプレーで捕球から送球、田中を一塁に刺した。完ぺきな併殺の完成だ。

先発・西勇輝が1回に5失点と炎上し、負けたものの前日4日のゲームでも阪神内野陣は3つの併殺を完成させていた。連日の併殺劇でプロの技を見せていると言える。

「取れるところで取れば流れができる。相手に傾く流れを断ち切ることができるからね」。内野守備走塁コーチの馬場敏史は併殺の意義をあらためて説明した。もちろん「守りの野球」を目指す指揮官・岡田彰布も満足そうだ。「よう守ってる思うよ。まあ(大竹は)低めに行くからちょうどええゴロになるからな-」。そんな話で投手とバックの連携を評価した。

これで広島との得失点差は「38-36」になった。つまり前日までは「36-36」。6勝3敗と対戦成績では圧倒していたのに得失点差はタイだったことになる。他球団相手では得点の方が明らかに多いので、このカードは特に“守り勝ち”しているということだろう。

貯金「12」だがロードでの成績は、これで18勝18敗1分けのタイになった。「内弁慶」傾向は続くがここは村上頌樹でスカッと勝ち越し、甲子園に戻りたい。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

広島対阪神 3回表阪神無死一、二塁、前川の左前打と相手失策で三塁走者島田が生還し喜ぶ岡田監督(撮影・加藤哉)
広島対阪神 3回表阪神無死一、二塁、前川の左前打と相手失策で三塁走者島田が生還し喜ぶ岡田監督(撮影・加藤哉)