「心構えや精神的なことを口にしていたのが矢野監督。岡田監督は正反対、結果、プレーだけを見ていると考えていたけれど、それは違うんだなと実感した」
名前は伏せるけれど、最近、球団関係者からそんな話を聞いた。指揮官・岡田彰布について前任者・矢野燿大と比較し、感じたことを語ったもの。ズバリ佐藤輝明のファーム行きに関しての感想だった。
少しだけ振り返る。横浜遠征中の6月25日に出場選手登録を抹消された佐藤輝。同日にナゴヤ球場で行われたウエスタンリーグ中日戦後、こんな話をした。
佐藤輝 プレーはもちろんそうですけど「プレー以外のところも見られてるぞ」というのは言われていたので。そういうところもしっかり、頑張ります。
その言葉を発したのはヘッドコーチの平田勝男だった。では「プレー以外」とは何なのか。少し具体的に言えば「練習時の態度」「声出しなどベンチでの様子」「コーチ、先輩へのあいさつ」といったような部分で佐藤輝は若手かつ主力選手という立場にしては“マイペース”に映っていたのかもしれない。
この種の話は結果と違って「オレにはそう見えるぞ」という主観が入るもの。それでも平田が言ったからには「チームとしてそう見ている」ということだ。言うまでもなく、岡田の見方も同じである。
佐藤輝のこの談話で虎党やメディアは「岡田からのメッセージ」と受け取ったが関係者が漏らしたようにチーム内にも岡田の考え、見方を知らしめる結果になったのだ。
今更、こんなことを書くのは佐藤輝が最短で1軍に戻ってきたからである。もう少し長引くかと思っていたが近本光司の離脱で広島遠征中の5日に合流。だからこそ、より「プレー以外」の部分を見られているはず。「何を見られているか」「レギュラーとして何が重要か」ということを佐藤輝自身が気づき、感じることが大事だと思う。
この時期、補強の話も出る。新外国人獲得、トレードに動いた球団もあるし、低迷していれば手をこまぬいているわけにはいかない。しかし首位阪神には佐藤輝がいる。自分で言うように「初心」に戻り、それを1年目のような活躍につなげることができれば、これ以上の“補強”はない。だからこそ「アレ」は佐藤輝にかかっている…とあらためて思う。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




