終日動けるという意味では24日がラストとなった宜野座キャンプ。その午後1時40分だ。木浪聖也と、内野守備走塁コーチ・田中秀太が2人でサブグラウンドへ。木浪が遊撃の位置につくとノックが始まった。激しいものではないけれど、秀太はジワリジワリと転がす。腰を落とし、グラブを地面につけるようにして木浪は処理していく。

アドバイスもあり、続けているうちに2人だけの練習は30分が経過。「(木浪は)どこでも守りますから。深い意味はありませんよ」。秀太はそう話した。

それは本当だろうが、こちらには勝手な“見立て”もある。具志川から合流した宜野座で木浪はほとんど遊撃の練習はしていない。シートノックは三塁。前日までのオープン戦もすべて三塁手として出場しているのだ。

ハイレベルのプロ野球、内野はどこでも同じとはいかない。距離感、打球の違いなどもあるし、その守備位置についてゴロを受けるのは重要。だからこそ、じっくりやったと見る。

昨季は固定できなかった遊撃手だ。そこにディベイニーが新加入。だが土のグラウンドに違和感があるのか、まだしっくり来ていない様子。この日も今キャンプ5度目の早出特守を行っていた。オープン戦も21日中日戦(北谷)こそ遊撃でスタメンだったが続く2試合はDHだ。

「地方球場はあまり使用しませんから。甲子園、京セラドームで。向こう(関西)に帰って、また、ですね」。指揮官・藤川球児は遊撃候補の新外国人選手が守らなかったことについて、そう説明した。

それも本当だと思うが、もしもディベイニーが期待通りでなかった場合、遊撃は昨季同様、小幡竜平、熊谷敬宥、そして木浪らが守ることになるはず。だからこそ木浪も遊撃守備をおろそかにするわけにはいかないのだ。「準備はしておかないとね。やれと言われたところをやるだけですから」。木浪はそう言った。

このノックが始まるころ。グラウンドのすぐ横にある宜野座高の野球部員がアニメ「おジャ魔女どれみ」の曲を流しながら、踊り出した。木浪らも驚き、目を見張ったほどだ。

「あの練習を応援してたの?」と部員に聞くと「阪神タイガースを応援してます!」と絶叫。なんだかよく分からないが、いい雰囲気での“特訓”だった。木浪、頑張れ。阪神、頑張れ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)