打撃戦か。あるいは凡戦か。そんなことを思ってしまうゲームとなった。今季初めて横浜スタジアムに乗り込んでの試合は大変なことになったのである。

序盤は楽勝ペースと思ってしまった。「初物」に弱い打線がプロ2試合目の先発で初対戦となる深沢鳳介から着実に加点。先発・才木浩人も2回まで無安打であっさりいくか…とチラリ思ったのは事実である。

だが野球は分からない。4時間21分の長い試合を終えてみれば結果は「9-16」。指揮官・藤川球児にとっては2年目でワースト失点を記録する大敗となったのだ。

大激戦の中で局面は多かったと思う。あえて言えば3回、才木が三森大貴に与えた四球は1つのポイントだったかもしれない。ずっと1番打者だった牧秀悟を2番に下げ、1番に入った三森を相手に才木は10球を投げさせられた挙げ句に歩かせてしまう。直後にこの日、28歳の誕生日だった牧に1発を被弾する。

ポイントにこの四球を上げたのは試合前からある数字を見ていたからだ。試合前までリーグで最多の四球を選んでいる打線は阪神で「65」。それに続くのは「60」のDeNAだった。

「四球はヒットと同じよ。1試合で1個、四球を選んでヒット1本打ったら3割にやんか」。そんな独自の理論? で四球の大切さを説いたのは前監督・岡田彰布(オーナー付顧問)だ。だから「四球」を「安打」と同じレベルで年俸に反映されるよう提案した。それもあってか23年は球団史上2度目の日本一に輝いた阪神、それは指揮官・藤川球児の体制になっても継続されている。

その四球をこの日は両軍、連発した。5回にDeNA橋本達弥が押し出し四球を2つ出せばモレッタも登板した7回に押し出し四球を記録。阪神、DeNAともに2桁安打をマークしたが四球も両軍併せて「15」。阪神は与四球「9」で才木が2死球も出し、与えた四死球は「11」。結果として四球数でDeNAに抜かれることになった。

「(四球は)どっちもですね。そういうゲームだったと。切り替えるしかないですね」。監督通算100勝を逃した球児は淡々と話した。そして厳しい敗戦後の22日は水曜だ。今季、水曜は2敗、雨天中止とまだ勝利がない。たった1カ月間の話だけど、なんとなく、ほんの少しだけど、イヤな感じだ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

DeNA対阪神 ベンチでジャンパーを着直す阪神藤川球児監督(撮影・足立雅史)
DeNA対阪神 ベンチでジャンパーを着直す阪神藤川球児監督(撮影・足立雅史)