昨年の王者・東邦が恵みの雨で逆転し、4強に一番乗りした。

 4回終了時に雨が強くなってきたため3時間21分の中断。1-3と2点ビハインドの展開から試合が再開すると、一気に東邦打線が爆発した。5回、1点差としてなお2死二塁から3番田中来起投手(3年)が左前に同点適時打。なおも2死二塁で4番石塚郷外野手(3年)の右前適時打で勝ち越した。6回は打者12人の攻撃で7安打7得点。2イニングで11安打10点を奪い、7回コールドで快勝した。

 長時間の中断は試合後に食べる予定だった昼食を取り、ミーティングを行って切り替えた。焼き肉弁当で力を蓄えた石塚は「ミーティングで投手の特徴を確認して、自分たちのやれることをやっていこうと声を掛け合った。雨がラッキーというか、ありがたかった」。カツが入ったのり巻きとうなぎのおにぎりを食べた背番号「1」の田中は、4回途中から登板し3回1/3を無安打無失点と好リリーフ。右腕は「食事中はいつもの部室みたいな雰囲気だった。これだけ長い中盤は初めて。周りがイケイケだったのでついていかないと、と思った。(先発の)扇谷が苦しいときにリリーフして抑えるのが目標。抑えられて良かった」と笑顔で振り返った。

 森田泰弘監督(58)は「(中断で)食事も入ったので難しかったが、今から試合が始まると思って切り替えていこうと。選手も負けたくないという気持ちが出ていた。課題の打つ方もとらえだしてきている」とうなずいた。【宮崎えり子】