静岡学園には、今年も部の心得である「文武一道」を貫く選手がいる。超攻撃型2番の古地耕大外野手(3年)と、スーパーサブの今村福太外野手(3年)だ。ともに国公立大を志望し、教師になることを夢見ている。「文」と「武」、双方で学んだことを融合させ、47年ぶり2度目となる甲子園出場をつかみ取る。
古地と今村も先輩たちに続く決意だ。静岡学園野球部は、昨年度卒業した学年から、同部史上最多となる3人の国立大現役合格者を輩出した。北海道大を目指す今村は「やればできることを先輩たちが証明してくれました。自分たちの代で絶やすことなく、静学の良い伝統を作りたいです」。朝型の勉強スタイルで、時間を有効活用している。毎日午前6時30分に登校し、約1時間30分の自主勉強に取り組んでいる。「徐々に結果が出てきて、勉強が楽しくなってきました」。
「文武一道」とは文と武を切り離すのではなく、1つの道として考え、学んだことを互いの分野に生かすこと。静岡大を志望する古地は「『どうしたらうまくいくのか』と考えることの大事さを学びました。野球でも課題を解決する力がつきました」。
同部は足を絡めた超攻撃野球である「ラン&ガンベースボール」を掲げている。古地は「ガン(攻撃)」の部分で象徴的な存在だ。昨夏は控え投手として出場したが、今年は打撃を生かすために外野手に専念する。打順は2番だが、小技を使わずにフルスイングで長打を狙い、走者をかえす。大リーグで頻繁に用いられる、2番に強打者を置く戦術を採用しているからだ。安田龍一監督(40)は「いいバッターに多くの打席を回すためです」と信頼を寄せる。古地も「やりがいを感じます。大きい当たりを打つことを徹底します」。
昨夏は16強入りした。貴重な左の代打として期待される今村は「全員が役割を果たし、甲子園を目指します」。憧れの先輩を超え、聖地への切符をつかみ取る決意だ。【古地真隆】
◆古地耕大(こち・こうだい)2000年(平12)12月9日、牧之原市生まれ。細江小-榛原中。小2から細江グリーンティーズで野球。176センチ、81キロ。右投げ右打ち。家族は両親、姉、兄。血液型A。
◆今村福太(いまむら・ふくた)2000年(平12)10月30日、静岡市生まれ。高洲小-高洲中。小3から高洲ブルーズで野球を始める。165センチ、65キロ。右投げ左打ち。家族は両親、兄。血液型B。