東日本国際大昌平が聖光学院を6-2で下し、8強入りした。公式戦初登板初先発の下手投げ横田龍星(2年)が、4回を2失点に封じ、09年から(11年は震災の影響で中止)続いていた絶対王者の春東北大会出場を11年ぶりに阻んだ。

161センチ、52キロの「秘密兵器」が躍動した。西袋中時代は上手投げも高校入学後、伊藤博康監督(49)から転向を打診され「生き残るために」と努力を重ねた。ソフトバンク高橋礼を参考に、今春からさらに肘を下げ、低めを意識。最速は121キロから110キロ台に落ちたが、相手の目先を変える役割を果たした。

2番手で5回無失点と続いた藤井玲衣(3年)も「ブルペンでは緊張していたけど、初回を3人で退けてから落ち着いて投げていた。頼もしいです」と後輩を持ち上げた。聖光学院には昨秋大敗。元巨人、ダイエーの伊藤監督の人脈で東海大相模、山梨学院など強豪と練習試合を重ね、名前負けを拭い去ってきた。増子颯主将(3年)は「聖光と意識しすぎて自滅してきたが、自分たちのペースでやれるようになった」。大仕事をやってのけた横田は「2巡目でつかまったので、もっとコントロールを磨かないと」と、浮かれることなく先を見つめた。【野上伸悟】