<高校野球埼玉大会:花咲徳栄12-9西武台>◇24日◇準々決勝◇大宮公園
西武台・今沢翔太内野手(2年)は延長10回2死一、二塁で最後の球を振れなかった。見逃し三振。試合終了。力が抜け、ひざを突く。30分たっても涙が止まる様子がない。「ごめんなさい、本当にすいません…」。ベンチ裏で崩れ落ち、気持ちを振り絞って立ち上がったら、また崩れ落ちた。
花咲徳栄を相手に0-8のコールド負け寸前から、代打湊栞太(かんた)主将(3年)の適時打などで7点取り、9回には同点にも追いついた。湊が「くっそー、悔しいな」と前を向く横で、また今沢が「ほんとすいません…」とひざを突く。「おまえいつまで泣いてんだよ。いいって。来年頑張れよ」と腹をパンッとたたかれた。
優勝候補の本命相手に、わずかの差だった。決勝点もそう。延長10回、満塁。花咲徳栄の主砲・石塚のライナーが、三塁を守る今沢を襲った。「本当に一瞬で。怪物みたいに襲ってきて」。グラブをかすめたが捕れず、三塁線を抜かれた。
もうこんな思いは嫌だ。「日々の練習を誰よりも努力して絶対に甲子園に。先輩たちに『自分たち、甲子園行けました!』って言いたいです…」。言葉を紡ぎ出すと、両手でひざを押さえた。3年生たちが代わる代わる背中をたたいていった。【金子真仁】

