日本ハム新庄剛志監督(52)の母校、西日本短大付(福岡)が、今大会最多の13得点で14年ぶりに夏16強入りした。1番奥駿仁(はやと)外野手(2年)が、2安打2打点で打線をけん引。初回に四球を選び、2番打者の二塁打で一塁から50メートル走5秒8の快速を飛ばし、先制のホームを踏んだ。3回は2死二、三塁から遊撃への適時打、9回2死二、三塁はバント安打でダメ押し。新庄監督から背番号8を受け継いだ2年生が、脚力で聖地を沸かせた。
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西日本短大付のスピードスター奥は先制のホームを一気に駆け抜け、雄たけびを上げた。
「すごくいい形で1点が取れた。ホームにはかえれると思っていた」
0-0の初回だ。先頭で四球を選ぶ。続く2番打者の3球目、バスターエンドランがはまった。三塁線を破った打球に、スタートを切っていた奥はスピードを緩めない。50メートル走5秒8の快足を飛ばす。甲子園の大観衆も「お~」と度肝を抜かれた速さ。悠々のホーム生還に「聖地で駆け回るのはめちゃくちゃ気持ちいい。自分の持ち味でもある足を生かせた」と納得顔だ。
3回は2死二、三塁から二塁へ適時打。12-0の9回2死二、三塁は三塁線のバント安打でダメ押し。「自分の判断でいけると思った」。この日2安打2打点の大活躍。12安打で今大会最多13得点の打線をけん引した。「1番打者の役割は果たせた」と胸を張った。
福岡・糸島市出身で、自然に恵まれた場所で育った。小学生の頃は海で泳ぎ、山を駆け回るような“野生児”だった。いつしか脚力がつき、運動会のかけっこは無敗。高校入学後は、4月の体育祭で部活対抗リレーは野球部がぶっちぎりトップ。高校時代、新庄監督と同級生だった西村慎太郎監督(52)も「彼の走塁に非常に救われています」と目を細める。
今大会から背番号8を背負う。新庄監督の系譜を受け継ぐ。「すごい方なので。少しでもアピールできるように全力で頑張りたい」。勝ち進めば、新庄監督が現地応援してくれるかも。奥は「来てくれたらうれしい」と笑顔で熱望した。【佐藤究】
▽西日本短大付・西村監督(12安打13得点で14年ぶりの3回戦進出)「子どもたちがのびやかに動いてくれた。全国大会に来てこれだけの結果が出るのはプラスにとらえたい。とにかく一戦一戦を全力で、次の試合も頑張っていきたい」
▽西日本短大付・西村監督(奥の足が相手に与える影響について)「プレッシャーを向こうにかけられますし、余計な神経を使わせてます。ここっていう時に、普通だったら行かない先の塁を取っているので、それが得点につながっている。非常に救われてる」
◆奥駿仁(おく・はやと)2007年(平19)4月29日生まれ、福岡・糸島市出身。小学4年で野球を始め、福吉中では二丈ファルコンズに所属。西日本短大付では1年秋からベンチ入り。好きな言葉は「常に全力」。50メートル走5秒8、遠投80メートル。174センチ、64キロ。右投げ左打ち。
◆2桁得点 西日本短大付が13得点。低反発の新基準バットが採用された今春以降、2桁得点は春の阿南光11-4豊川、今大会の滋賀学園10-6有田工に次いで3試合目となり、13点は最多。
◆完封試合 今大会は継投を含めて完封試合が早くも11試合。夏の11試合は99年(13試合)以来。

