海城が麻布との進学校対決を5回コールドで制し、初戦を突破した。右肘を痛めた春のエース宮本昂弥投手(3年)に代わって背番号1を託された2年生の渋谷武登投手(2年)が、5回1安打無失点の快投。先輩から託された思いを胸に、夏の第一歩を踏み出した。

初めて立つ神宮のマウンドに「緊張はしていたのですが、なんとか試合を作れば、あとは先輩が打ってくれると信じていました」と渋谷。1、2回をともに3者凡退に抑える上々の立ち上がりを見せると、5回まで許した安打はわずか1本。4三振を奪い、「ストレートが走っていて、空振りも取れた」と安定した投球を披露した。

打線も右腕の力投に応えた。2回に2つの押し出し四球で先制すると、4回には打者一巡の猛攻で6点を追加。5回にも2点を加え、5回コールド勝ちを決めた。梶徹監督(47)は「うちはディフェンスを最重視しているチーム。守備でリズムを作り、それが攻撃につながった」と投打のかみ合った勝利を振り返った。

春に主戦を務めた宮本は右肘のけがでベンチ入りを逃した。「宮本の分も背負って投げてね」と送り出された渋谷は、その期待に応える投球を見せた。大会前には「まだチームを勝たせられるピッチャーにもなれていない」と話していた右腕。自身の武器を総合力と表現し、「コントロール良く、テンポ良く投げられるピッチャーになりたい」と技術を磨いてきた。

この日は相手打線のデータが少ない中でも、「打たれてもいいから、どんどんテンポ良く打たせていこう」というベンチの方針を実践。細川航央捕手(2年)のリードを信じ、「自分はそこに投げるだけだった」と淡々と腕を振った。梶監督も「期待していた通りのピッチングだった。ストレートが走っていたし、コーナーへの制球も良かった」とたたえた。

「1試合でも多く先輩と試合がしたい」。先輩の思いも背負う2年生右腕が、海城の夏を支えていく。

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