宮城農は東北学院榴ケ岡に敗れた。
「やりきりました」。太田知希内野手(3年)はすがすがしい表情だった。「夏の1勝」を掲げて挑んだ最後の夏。初戦で泉に9年ぶりの夏勝利を挙げると、2回戦で仙台南も撃破し16強入りを果たした。この日は一塁から声をからしたが、仙台南戦では先発し5回2失点で勝利に導いた。「やれることをやって16強入りを果たせたので、悔いなく終われました」。
3年生6人のうち、4人が中学時代に同じチームに所属していた。「宮農を強くしよう」という赤井沢徹監督(46)の言葉に心を打たれ、誘い合って入部した。寮長も務めた太田は、チームの結束力を高めるには欠かせない存在だった。この2年半、いろいろな思い出がよみがえるが、この夏にはかなわない。「この仲間と夏の勝利を挙げられたことが一番の思い出です」と笑顔で話した。
幾度となくけがに苦しんだ。中1で右ひじのトミー・ジョン手術を決意。高校でも縫うほどの大けがも経験した。それでも、「この仲間とプレーがしたかった」と大好きな仲間と野球に打ち込む毎日が幸せだった。
高校野球は幕を閉じたが、まだまだ野球熱は収まらない。この先も社会人チームで野球を続ける予定だ。「野球が大好きなので」と無邪気な笑顔を見せ、仲間とともに球場を後にした。【木村有優】

