右肘内側側副靱帯(じんたい)を損傷し、離脱していたエンゼルス大谷翔平投手(23)が、最短で7月6日(同7日)に始まる本拠地でのドジャース3連戦で、打者復帰できる可能性が出てきた。PRP(プレートレット・リッチ・プラズマ=多血小板血漿)注射から3週間後に行われた再検査の結果、手術は回避。フリー打撃も再開した。マイナー戦などの実戦で調整し、その後にメジャー復帰となる見込みだ。

 エンゼルスにとっては、待望の打者大谷の復帰となる。診断の報告を受けたソーシア監督は「間違いなく復帰へのプロセスの中で非常に大きなステップ。外に出てスイングできたという意味でも素晴らしい日だ」とうれしそうに話した。復帰となれば、打線に左の強打者が加わり厚みが増す。「攻撃面でどのように彼がチームに貢献してくれるかを楽しみにしている」と期待を寄せた。

 チームは敵地でレッドソックスに3連敗し、6連敗で貯金0。ア・リーグ西地区の首位アストロズとは13・5ゲーム差に広がった。ワイルドカード争いのライバルでもあるマリナーズとも10ゲーム差で、プレーオフ進出が危うい状況だ。また、ここ2日間で主力野手のコザート、中継ぎジュエルの2選手の手術が発表されるなど、チーム内での離脱者も絶えない。

 けが人続出の中での大谷の復帰は明るい材料となる上、逆転プレーオフ進出への起爆剤としても期待される。ソーシア監督は「投手として起用したいのと同じくらい、打者でも起用したい。彼はチームにとって鍵となる」と力を込めた。