阪神鳥谷敬内野手(33)が25日、沖縄・宜野座キャンプ最終日を終え、和田監督からキャンプMVPに選ばれた。初日から声を張り上げて若虎を盛り上げる一方で、キャプテン自身の調整も順調そのもの。新1番打者として期待される1年「シーズンで取れるように頑張ります」と本番でのMVP受賞に照準を定め、充実の1カ月を締めくくった。

 別れを惜しむかのように、沖縄の空が青く染まっていた。25日間に及んだ鍛錬の期間が終了。和田監督にキャンプMVPを問われる。若手なら江越か岩本か、実力者なら上本か…。正解はチームの顔だった。「1人を挙げるのは難しいけど、鳥谷がリーダーシップを発揮してくれた」。指揮官の言葉を伝え聞くと、キャプテンは苦笑いした。

 「キャンプで頑張っても仕方がない。シーズンで取れるように頑張ります」

 2月1日から笑顔と大声で若虎を盛り上げた。「年上が(声を出して)やれば雰囲気も良くなる。若い選手もいっぱい来ていたし、見本になろうと思った」。オフは海外FA宣言し、メジャー挑戦を視野に約2カ月間悩み抜いた末に残留。和田監督からは「すっきりして、もう1回ここで勝ちたいという思いが出ていた。1日から今日まで、すべてにおいてチームを引っ張ろうという気持ちでやってくれた」と感謝された。

 今季は指揮官の理想像、1番鳥谷で開幕発進することが確実だ。キャンプ中は実戦5試合に出場。1番遊撃で先発した4試合で計10打数4安打をマークし、あらためて適性を示した。「すべてにおいてレベルアップしようと思ってやってきた。ケガなく全部できて良かった」。今後は実戦で走攻守の精度を上げながら、同時にチーム力の底上げを手助けしていく。

 「若手も力をつけているし、レベルアップできた。しっかりオープン戦で感覚を養って、開幕へいいスタートを切りたい。去年2位で悔しい思いをした。そこは受け止めて、勝つために何が必要かオープン戦で考えて、開幕して勝てるようにやっていきたい」

 シーズンMVP級の活躍に照準を定めた理由は、説明するまでもない。10年ぶりのリーグ制覇、30年ぶりの日本一を勝ち取りたいから虎に残った。全身全霊をかけてチームを引っ張る。キャプテンの覚悟がにじみ出た、南国の1カ月間だった。【佐井陽介】