巨人原辰徳監督(56)が、勢いよくベンチから飛び出した。延長10回、1死満塁。マウンドで沢村に声を掛けた。真っ向勝負するように背中を押したが、攻めた結果、2死満塁から痛打を浴びた。勝てば今季初の単独首位だったが、競り負けた。「チームを勝たせられずに申し訳ない」とうなだれた沢村を、原監督は手をたたいてねぎらった。「2点はかなりしんどいですね。もう少し取らないとね」と、敗因を打線に求めた。

 7度目の正直はならなかった。ヤクルト小川には、この試合前まで6戦3敗。天敵になりつつあるだけに、川相ヘッドコーチは試合前「チャンスは少ない。一気に崩さないと。点の取り方はいろいろあると思う」と1点をいかに奪うかをポイントに挙げた。

 選手も同じ思いだった。1点を追う4回。1死一塁から4番坂本が「サードが後ろにいたので」とセーフティーバントを敢行。結果は犠打となったが、直後にアンダーソンの同点打が出た。原監督は「自分も生きるというのと、スコアリングポジションに進めるというところでしょうね」と、何とかしたいという坂本の狙いをくみ取った。

 だからこそ、敗戦にも穏やかな表情を見せた。「(打線のつながりを)もっと太いものにしていかないとね」と前を向いた。今季初のサヨナラ負けを無駄にはしない。【浜本卓也】