悔しい敗戦が再び…。虎の先発岩田稔投手(31)が、強力ソフトバンク打線につかまった。1回に先制を許すと、3回1死一塁で迎えたのは松田宣浩内野手(32)。岩田にとっても、昨秋の日本シリーズでタイムリーを浴びた相手だったが、この日は2ランを被弾。4回1/3を投げ、10安打4失点で3敗目。岩田よ、この秋こそリベンジを果たす舞台だ。

 硬直した表情のまま、腕を組んで微動だにしない。岩田は考え込むように三塁ベンチに腰掛け、完敗へと続く戦況を見つめ続けるしかなかった。5回途中を10安打2四球4失点の黒星。さすがに疲労の色を隠せない。試合後は119という球数が汗となり、顔面からにじみ出ていた。

 岩田 粘れなかった自分が悪い。抑えないと、意味がない。抑えないと、意味がないです。

 2ストライクと追い込まれたら、さらに低めに集められる-。ならば、カウントを取りに来る高めのボールを狙っていこう-。岩田の傾向をあぶり出したソフトバンク側の策略にはまった。強力打線を相手に慎重を期した。だが、低めのボールに手を出してくれない。対戦した打者25人のうち、15人への初球がボール球。当然カウントが苦しい場面が多くなり、絞り球を狙われやすくなった。

 1回は1ストライクまでのカウントで3安打を浴びせられて1失点。2回2死満塁では3番柳田をフォークで空振り三振に仕留めたが、コツコツとジャブを打ち込まれたダメージは3回に被弾という形で表れた。1死一塁で6番松田に対し、フルカウントからの内角低めカットボールが数センチ甘くなった。打球は今季新設されたホームランテラス席を楽々越えて左翼席へ。痛恨の1球だ。松田の通算1000安打となる1発でリードを3点に広げられ、唇をかみしめた。

 岩田 相手が(狙い球を絞る)そういう作戦で来ても、抑えるのが僕らの仕事。どうするかを考えないといけない。

 同い年の松田には苦い記憶が残っていた。昨年の10月29日。同じヤフオクドームで日本シリーズ第4戦に先発し、7回6安打2失点と粘投。初回に2点適時打を浴びたのが松田だった。シーズンに限っても、08年5月24日に敵地で左越え弾を献上していた。またしても松田に打ち込まれて3敗目。悔しい思い出を塗り替えることはできなかった。【佐井陽介】

 ▼阪神岩田がソフトバンク松田に左本塁打を浴びた。松田はこの一撃でプロ1000安打達成。岩田のヤフオクドーム登板は2度目(日本シリーズ、オープン戦などは除く)で、前回は08年5月24日ソフトバンク戦に先発。このときも松田に左翼本塁打を喫した。この本塁打は松田の同年4号でプロ通算14号、同140安打目だった。この試合は9回に阪神が4点を挙げ5-2で逆転勝ちしている。