オリックス西勇輝投手(24)にとって、より心躍る登板だった。同学年の楽天則本との投げ合い。「負けられないというか、楽しんでやっていた」。昨年、一昨年は敗戦投手となった。三度目の正直で投げ勝った。8回無失点で、則本と並ぶ4勝目だ。

 プロ入りは先。実績も残してきた。だが、そんな考えは頭にない。「アイツはすごい。追いつきたい。親友であり、ライバル。2人で刺激し合いながらやれればいい」。昨秋の日米野球では一緒に日の丸を背負った。第3戦で史上初の「ノーヒットノーランリレー」にも2人で貢献していた。

 そんな意味深い一戦は、序盤から投手戦となった。福良淳一監督代行(54)は「真っすぐに力があったし、気持ちが入っていた」とうなった。5回は1死一、三塁を相手スクイズ失敗でしのいだ。「(試合前に)携帯で占いを見たら、今日はさそり座が1位。ラッキーだった」と西。今季初の無四球。制球も安定していた。

 昨季は自己最多12勝。だが得点圏に背負った被打率は2割8分5厘もあった。今季は1割5分1厘と粘り強い。7失点KOで14点台から始まった防御率もディクソン、大谷に続くリーグ3位に浮上してきた。

 この日、オリックス本社の定例株主総会が都内で行われた。株主からは低迷するチームへ「期待が高かったのに最下位とは」と厳しい質問が出て、西名球団社長が「申し訳ありません」と謝罪するひと幕があった。チームは借金を背負い込み、内外から厳しい目にさらされている。それでも1つずつ、白星を重ねていくしかない。【大池和幸】