1段1段なんて面倒だ、とばかりに阪神上本博紀内野手(29)が1段飛ばしの2点二塁打を放った。勝利ムードをぐっと高める痛快、爽快な中押し打を選手会長が見事に決めた。

 「打てて良かったです」

 2点リードの5回だ。無死一、二塁の好機もマートン、今成が凡退し2死になった。無得点でチェンジとなれば、相手に流れがいきかねない。もやもやムードを一振りでかき消した。

 それまでの2打席は遊ゴロと見逃し三振。広島先発野村のカットボールに苦戦した。勝負の第3打席で、同じてつは踏まない。2球目140キロのカットボールをセンター左へ。中堅丸が俊足を飛ばしても届かない痛烈な打球はフェンスまで到達。一塁走者ゴメスの激走もあり、勝利を決定づける2点を追加した。勝負強い一打に和田豊監督(52)も「それまでタイミングが取れなくても、得点圏の走者が出て結果を出す選手。本当にあの2点が大きかった」と手放しで喜んだ。

 6月中旬。交流戦終了時期に、腰を低く落とし、左足の裏を投手側へ向ける独特な打撃フォームを改造した。新打法は左足を地面に対面させ、シンプルに立つ。大きな間合いを取ることで、小さな体でも力強い打球を打つことが出来るようになった。修正前は48安打中、左方向への打球が約半数の23本。改造後は20本中7割の14本を左方向へ放っている。常に変化をし、修正を図ってきた男が出した答えがこの新打法だ。

 この日の長打も修正能力を発揮したたまもの。助っ人コンビに負けじと、階段を駆け上がる。