やっと90勝に到達した。ソフトバンクが同点の8回に中村晃外野手(25)の勝ち越し適時打で楽天に競り勝ち連敗を6で止めた。90勝は89年の福岡移転後最多。球団では56年の96勝以来、59年ぶりの大台突破となった。今日5日、シーズン最終戦を戦い、14日からは日本ハムとロッテの勝者とCSファイナルステージを戦う。
CSへ向け、日本一連覇へ向け中村晃が停滞ムードを振り払った。ここ10試合で1勝9敗。この日も2番手森が7回に同点に追いつかれる苦しい展開だった。
「6連敗していたので、今日は何としても勝たないといけない。悪い流れを止めたかった」。8回2死一、二塁から中前へゴロでしぶとくはじき返し、二塁走者の内川が勝ち越しのホームを踏んだ。その1点を五十嵐、サファテが守りきり、8日ぶりの勝利。ようやく今季90勝目。工藤公康監督(52)は「ずいぶん、時間がかかったな。遅くなってしまった」と喜んだ。
優勝が決まった後も、中村晃には3年連続の打率3割という目標があった。だが優勝決定時2割9分9厘の打率は9月29日には2割9分2厘まで落ちた。「半分あきらめていたので、CSで活躍するために調整した。優勝してから考える時間がたくさんあったので、その結果いい感じになってきている」。足を上げて打ちに行く間があまりなかったことに気づき修正した。
そこから4試合で13打数8安打で打率3割に乗せた。この日、3割への条件は4打数3安打だったが、決勝タイムリーまで放つ満点回答だった。8回の守りでは、先頭ムリーロの一塁頭上のライナーをジャンプして好捕。抜けていれば二塁打コースで守りでも貢献した。
昨年、最多安打のタイトルを獲得したが、今年は調子が上がらなかった。自分の思い描く打球とのズレに試行錯誤を続け、目標の3割にようやく到達した。藤井打撃コーチは「よく打った。明日(5日)は出さない」と今日の試合の休養を明言した。
静かな男だが、グッズの売り上げは今年、上位にランクされている。ファンも中村晃の地味ながら勝利に貢献してきた姿を知っている。「3割」の勲章を勝ち取った上り調子の中村晃のバットがCSでも大暴れする。【石橋隆雄】



