中日がソフトバンク大場翔太投手(30)を金銭トレードで獲得した。30日に両球団が発表した。3年連続Bクラスに沈んだ中日にとって、投手補強は一番のポイントだった。西山球団代表は「投手の頭数が足らないのが現状。経験もあるし、戦力として高く評価している」と話した。

 東洋大で東都大学リーグ通算33勝など数々の記録を残し、6球団競合の末に08年にソフトバンク入り。ただプロ8年間で通算15勝、今季は1軍登板なしとくすぶっていた。ドラフト会議では指名しなかった中日だが、ウエスタン・リーグなどで調査を続け、獲得交渉を進めてきた。

 大場は「思うような結果が残せず残念で申し訳ない気持ちです。ドラゴンズで活躍することがご恩返しになると思って頑張ります」とソフトバンク球団を通じてコメントした。

 11月上旬にはナゴヤ球場での秋季キャンプに合流予定。谷繁監督は「見てみないと分からないけど、球数が投げられて、スピードもある」と期待する。12球団NO・1といわれる選手層のソフトバンクと比べ、中日先発陣は2桁勝利の大野、若松以外は横一線。チャンスは多い。初めてのセ・リーグに舞台を変えれば再生する可能性も膨らむ。復活をかけて、かつての黄金右腕が中日のユニホームに袖を通す。

 ◆大場翔太(おおば・しょうた)1985年(昭60)6月27日、東京都生まれ。八千代松陰高では甲子園出場なし。東洋大で東都リーグ通算33勝。シーズン115奪三振、14連勝はリーグ記録。07年大学・社会人ドラフトで6球団競合の末にソフトバンク入り。08年3月23日楽天戦でパ初の初登板無四死球完封。3試合目の4月5日ロッテ戦では全員からの16奪三振で無四死球完封。今季1軍登板0、2軍で20試合(先発1)1勝0敗、防御率3・25。182センチ、89キロ。右投げ右打ち。推定年俸1200万円。