調査委員会の報告書は、失格処分の軽減について2つの方法に言及している。全容解明へ向けた調査を進めるため、自己申告の際の心理的なハードルを下げるのが狙いだ。

 1つ目は無期失格処分を受けた後の軽減措置。1年経過後に反省して心を入れ替えていることが認められれば、コミッショナーの裁量で1年から5年の有期処分に変更できるとしている。

 野球協約第180条によると、無期失格選手は5年後の状況次第で処分解除が可能になる。だが、この項の対象となる処分者には「後に期限が定められた者を除く」という条件が付けられている。そこから、無期の処分後にあらためて期限を設定することは想定されているとみなす解釈だ。

 報告書はさらに「自主的申告を促す特別の措置を期限付きで実施できないか」として、協約に違反する「有害行為」を申し出た選手への処分を軽くする可能性にも触れた。独占禁止法に不正を自己申告した社の課徴金を減免する制度があることを参考にしたもので、調査委が元公正取引委員会事務総長の山田昭雄氏ら有識者の意見を聴きながら検討している。