巨人が伝統芸の1発攻勢で開幕4連勝を飾った。本拠地開幕でカクテル光線に照らされた横浜の夜空を3本のアーチで制圧した。高橋監督は「まだ4試合だから分からない。でも個々にいいバッティングをしてくれている証拠なのでは」と芸風を評した。

 「初ものに弱い」の定説はあるが、今の巨人には都市伝説だった。DeNAの1位左腕、今永を攻略。2回にクルーズ、4回にギャレットがスライダーに照準を定めてともに2号で仕留めた。5回には8年目の立岡が内角直球を高々と右翼席にプロ1号を運んだ。巨人移籍後に左肘故障で右打ちから転向し、ゼロから構築した左打ちでの1発。「何も考えずに振った。次は来年打てれば。ホームランは交通事故みたいなもの。これは書いといてくださいね」と冗舌だったが、「次の二塁打の方がバットが内から出て良かった」と見失わなかった。

 昨季は伝統芸がさびついた。98本塁打はリーグ4位。本塁打の出やすい本拠地に腰を据え、数々の長距離砲を擁するチームとして4番目という数字は93年以来、22年ぶりの屈辱だった。

 キャンプでは根本からスイング量が増えた。ベテラン村田もアーリーワークに招集され、全員居残りで一斉にロングティーを行う日もあった。ロッテから移籍したクルーズも「巨人はこんなに練習するのか」と、あんぐり。もっとも開幕2日前にギャレットと当然のように居残り特打を行う姿もあった。ウエートトレも練習前に取り入れ、肉体強化の効率性も追求した。

 昨年1試合最多だった3本塁打を4戦目で早くも果たした。4戦で7発と豪傑スタイルを取り戻しつつある。高橋監督は球団の新人監督として、81年藤田監督と並ぶ最多タイの開幕4連勝に伸ばした。「歴代の監督と比べられるのはまだまだ失礼だと思う」。比類なき強さを実感する日まで、伝統の中で芸を育んでいく。【広重竜太郎】

 ▼巨人が13年以来、11度目の開幕4連勝。巨人の新人監督で開幕4連勝は81年藤田監督に並ぶ記録だ。この4試合はすべて巨人が先制。開幕から4試合連続先制の4連勝は57年に次いで球団史上2度目だ。巨人の先発投手は4人合わせて27回を投げて3失点の防御率1・00。特に、前半5回までは菅野、高木、田口、ポレダと全員無失点で、先発投手の頑張りは見逃せない。なお、開幕から4連勝以上したシーズンの巨人は過去10度のうち98年を除いて9度優勝している。