滑り込まずに到達した二塁で、広島新井は静かにガッツポーズを作った。3点を追う1回無死満塁。フルカウントから内角145キロを捉えた。打球は右中間を破り、ワンバウンドでフェンスに当たった。一時同点とする3点適時二塁打。さらにはプロ野球40人目の通算350二塁打だった。
「みんなが必死になってつないでくれたので、気持ちを入れて打席に入った。(記録は)知らなかった」
さらに8回にも中前適時打を放ち2000安打まで残り4本とした。上体は突っ込まず、バットが遅れて出た。“恩師”は敵軍ベンチにも座っていた。「軸で回ること。金本さんは急ブレーキと表現してたな。踏み出した足でガンっと止まって、そしたらバットがギューンって出てくる感じ」。つきっきりで指導を受けた。トップスピードからの軸回転。教わった技術を惜しみなくボールに乗せた。
通算2000安打も、350二塁打も興味は薄い。ただ「打点4」を喜んだ。ルナが離脱し、19日から4番に座る。「阪神に行ってからかな。4番打者がいっぱいいたから」。こだわりがなくなった4番。だが「走者をかえすことだけ」にはこだわる。それが緒方監督が名付けた「ミスター」の生きざまだ。
チームは2年ぶりの2試合連続2桁失点で敗れた。貯金は1に減り4位転落。禁止されているウエーブまで起こった。それでも「みんな絶対に諦めないという気持ちだった。明日につなげたい」と新井。さあ残り4本。あと2試合で決めに行く。【池本泰尚】
▼通算350二塁打=新井(広島) 22日の阪神4回戦(マツダスタジアム)の1回、メッセンジャーから右中間へ適時二塁打を放って達成。プロ野球40人目。初二塁打は99年9月15日のヤクルト24回戦(広島)で川崎から。



