二塁を蹴った瞬間、ヘルメットを高々と放り投げた。西武鬼崎が同点の9回2死一、二塁から右中間を破るサヨナラ二塁打。プロ9年目で初の劇打に「(手応えは)覚えてないっす! (走塁中も)覚えてないっす! ナイスバッティングでした~!」と、お立ち台でも喜びを爆発させた。

 苦い経験をバネにした。4月22日楽天戦の9回に逆転負けの引き金となる悪送球。2軍降格を告げられた。午前0時を回るまで球場に残り、ユニホームのパンツ姿で帰宅。「精神的に不安定になっていた」と明かした。それでも「ゲームの中で克服するしかない」と2軍戦で泥まみれになり、1軍合流をつかみ取った。

 この日も8回に送りバントを失敗したが「ミスの後でも切り替えて(9回の)打席に入れた。何とかしたかったですし、ファームでの経験がプラスになりました」とうなずいた。

 チームは今季2度目の3連勝。その3戦全てで得点に絡む安打を放っている。「きついことが多くても、やっぱり野球が好きなんですよ」という野球小僧。試合後は、バント練習のため室内練習場に向かった。【佐竹実】