大黒柱は家を支えるためにある。阪神メッセンジャーがチームの大ピンチを救う快投だ。球威、制球、配球ともに申し分ない。3点リードの6回1死二塁でクリーンアップを迎える。陽岱鋼を打ち気をそらすカーブで三ゴロに仕留めると、4番中田も変化球攻め。119キロのブレーキが利いた球を外角低めに曲げ、豪快に空を切らせた。

 チーム5連敗で迎えた一戦とあって「先発投手は投げる試合を勝ちたいと常に思っている。最近はいい試合をしても負けていた。何とか勝ちたいと思っていた」と気合十分だった。まさに連敗ストッパーとして仁王立ち。金本監督も「7回をビシッと抑えてくれて何よりさ」とねぎらった。

 試合前まで12球団最高の交流戦打率2割9分2厘を誇る日本ハム打線はファウルで粘り、しぶとい。今季最多の132球を要しながらも耐えた。自身連勝でチームトップの6勝目だ。

 好投を後押しする要因もある。札幌ドームのマウンドは粘土質の土を硬く固めて米国仕様に整える。「アメリカに似ていて、自分に合うマウンドさ」。同球場では13年以来、3年ぶりの登板。過去3度の登板は2敗で勝てていなかったが、いずれも7回以上を3失点以内に抑え、先発の及第点であるQS(クオリティースタート、6回以上を投げ自責3失点以下)を達成。相性のいい足場で、ためらいなく踏み込めた。

 登板前夜は験担ぎのラーメンも食べた。それもマウンドで全力を尽くすため。7回降板を「自分はまだまだいきたい」と言う。マウンドを譲ることを誰よりも嫌う。この心意気が逆境で生きた。【酒井俊作】