日本ハム中島卓也内野手(25)が、値千金の決勝二塁打を放った。2-2の同点で迎えた7回2死一、二塁で、オリックス西から右越えの勝ち越し2点二塁打。8月13日楽天戦以来の2番に座った小兵が振り抜いた貴重な一打で、チームは首位キープ、今季最多タイの貯金28とした。
非力という先入観を、覆した。日本ハム中島が、意外性抜群の決勝打を生み出した。2-2で均衡していた7回。前打者西川が敬遠気味で歩かされ2死一、二塁。恒例の相手の超前進守備にも、動じなかった。「何とか自分で決めてやろう」。緩やかに落下してきたチェンジアップを、振り切る。後退しながら必死に飛び跳ねた右翼手糸井の先で打球は落ちた。右越え2点二塁打。「頭真っ白になってわからなかった。本当に覚えていません」と予想外の一打に、三塁側ベンチも沸き上がった。
レア感満点に、衝撃を呼んだ。右方向への長打は、今季105安打中4本目。ファウルで粘り、四球や内野安打を狙い、渋く貢献してきた。本塁打はプロ8年目で通算638試合1982打席で0本と、長打とは無縁のスタイル。8月13日楽天戦以来の2番でスタメン出場。不振もあり9番でのつなぎ役に徹していた。「もっと余裕で(右翼手を)越えると思った。まだまだパワーが足りない」と苦笑いも、勝負強さは光った。栗山監督は「打てようが打てまいが、しっかり自分のスタイルでやっている」と評価した。
細マッチョな体が、大一番でさえる。ナイター後の深夜に焼き肉を食らう屈強な選手が多い中、176センチ、73キロの身軽な体で自他共に認めるほど食も細い。「出来ることなら点滴で栄養を取りたい」と嘆くほど、土台作りに苦労してきた。8年目、首位争いが白熱する中、力強い一振りで結果を残した。
この日はソフトバンクの試合は雨天中止。中島が首位固めへ、大きな勝利に貢献した。前回リーグ優勝時の12年は、控え選手だった。今季初の本拠地お立ち台に立ったヒーローは「本当にここまで来られたのは、他の選手のおかげ。全員野球で頑張りたい」。たくましく、スポットライトの中心を目指す。【田中彩友美】



