コイのエース道まっしぐらだ。広島野村祐輔投手(27)が今季初登板で右足首に打球を受けながら7回まで投げ抜き、今季初勝利を手にした。プロ入り110試合目で通算50勝に到達。昨季限りで現役を引退した黒田氏や前田(ドジャース)を上回る球団最速での達成となった。エースの系譜にその名を刻もうと、6連戦の初戦を任されたマウンドで進化を示した。

 2回に右足首付近に打球が直撃するアクシデントに見舞われながら、野村は中盤からギアを上げた。シュートとスライダーの左右に加え、チェンジアップ、カーブで前後の変化をつけた。投球や走塁などから患部は腫れた。それでも5回から7回まで3イニング連続で3者凡退。13年9月24日に勝利して以来、勝てていなかった鬼門でプロ入り通算50勝目を手にした。

 「序盤は苦しかったけど、終盤はいろいろ(球種を)使えた。味方が点を取ってくれたのは大きかった。いい形で投げられた」

 黒田氏が抜けた今季、先発の柱となる自覚が右腕にはある。「週の頭を任せられている。中継ぎ投手を休ませられればと思う」。広陵、明大では、エースを務めた。広島でもジョンソンに次ぐ柱であり、日本人エース候補となった。描くエース像は「先発完投」。「毎試合できなくても、任されるからには最後まで投げないといけない。それがエースだと思う」。今季は投球回にこだわる。

 投手2冠に輝いた昨季も「まだ投げられると思う試合もあった。でも打順の巡りやチーム事情もある。長い回を投げさせてもらえる投手にならないといけない」。昨季初登板は同じナゴヤドームで、5回無失点から6回に暗転。3失点して敗戦投手となった苦い経験があった。

 今季初登板で、そのイメージを拭い去った。緒方監督は「崩れそうで崩れなかった。今年は自覚をもって臨んでいる。チームを引っ張って行ける。アクシデントがありながら6連戦の頭にこれだけ投げてくれて良かった」とたたえた。真価が問われたマウンドで、野村は進化を示した。【前原淳】