「うみんちゅサブマリン」岐阜経大(東海地区)与座海人投手(4年=沖縄尚学)が石巻専大(南東北)を1安打完封し8強入りを決めた。初出場初勝利を飾り、亡きチームメートへ届けた。

 沖縄出身のサブマリン与座が、石巻専大の強力打線を9回1安打に抑え、岐阜経大を初出場初勝利に導いた。「6回くらいから意識しました」。無安打2四死球で迎えたその6回2死。ゴロが遊撃手の前に。打ち取ったかと思われたが、一塁送球が上にそれ、唯一許した安打となった。「1つ出てくれて、自分の投球が出来た」。その後は無安打に抑えて完投した。

 沖縄尚学2年の夏にサイドスローに変え、岐阜経大に入学直後にアンダースローに転向した。「真っすぐで打者と駆け引きが出来る」と西武牧田を参考にする。この日の最速は132キロ。緩急自在の浮き上がる球で、10三振を奪った。

 亡き友の思いとともに、全国の舞台に来た。大学の同学年の投手だった中野宏紀さんが、入学して間もない5月にバイク事故で亡くなった。1年春からリーグ戦に出場し、与座が8回、中野さんが抑えを任されていた。与座の帽子のツバには、欠番となった中野さんの背番号「15」の文字。ベンチにはユニホームが掲げられ、リーグ戦では、いつも手でさすってからマウンドに上がった。「亡くなって悔しい。中野の分も自分たちが投げれば、中野のためになるんじゃないかなと」。