オリックス中島宏之内野手(34)が前代未聞の球場内事故に巻き込まれた。ロッテ14回戦(京セラドーム大阪)の試合前、スポンサー看板の設置作業中だった中堅5階席から落下した角形の鉄パイプの一部が当たったもの。幸いにも打撲で済んだが、1歩間違えれば大けがにつながっていた可能性もあり、球団は対応に追われた。

 中島が険しい顔で恐怖体験を語った。

 「ガランガランと上から音がした。まさか後ろや上から物が飛んでくるとは思わない。他の選手から『危ない』と声がして、立ち上がる間もなく横に逃げた。とっさに手で頭を隠したら、背中に物が落ちてきた。当たったときは『おれ?』と思った。めっちゃ痛かった」

 どこから何が落ちてきたのか、まったく見えていなかった。周囲の警告の声から、わずか2秒ほどの出来事だった。

 事故発生は午前9時40分ごろ。午後1時開始の試合に向けた練習中だった。中島は中堅フェンス手前のグラウンド上で、トレーナーによるストレッチを受けていた。そこに高さ約18メートルの5階席から鉄パイプが落下。うつぶせの状態から、とっさに回避しようとしたが、右耳から左腰にかけて当たった。担架が用意され、グラウンドが騒然となった。