力強く逆襲へのターンを決めた。巨人菅野智之投手(27)が、前半戦の最終登板を7回5安打無失点の白星で締めくくった。9勝目(4敗)はハーラー単独トップで、前半戦での9勝は、9勝4敗で折り返した14年以来。中4日で勝利した5日の広島戦に続き、中5日での登板を勝利に導いた。チームに今季初の3カード連続勝ち越しをもたらし、後半戦に向けた反撃ムードをつくり出した。

 7日間で2勝した菅野が、少しだけ責任感をほどいた。「疲れもぶっ飛んでいきました」。お立ち台で、大きな勝利をかみしめた。「勝って終わるのと負けて終わるのは大違い。チームの勝ち越しを決められてよかった」と振り返った。

 攻め抜いた。常に投球間隔を速めて攻撃のリズムをつくることを意識。援護点をもらった5回以降は「守ってはいけない。攻める意識で」と、さらにペースを速めてストライク勝負を続けた。6回、先頭の藤井に左前打を浴び無死一塁。すかさず「分岐点でした」と余力を注ぎ込んだ。山田とバレンティンを連続の空振り三振。難なく脱出した。

 表情を変えずにアウトを重ねる。今季は試合中に限り、代名詞のガッツポーズが減少傾向にある。「今はいい意味で力を抜いて投げられているから、感情的にも自分をコントロールして投げられているんだと思います」と分析。試合の流れを見通しながら投球の強弱をつける余裕が、最適な判断を下す冷静さを生む。もちろん、熱い感情は奥底に秘めてある。「自分やチームを鼓舞する時には、そういうしぐさが必要な時があると思います」と後半戦の勝負どころをにらんだ。