「神の手」で連勝だ。「SMBC日本シリーズ2017」第2戦は、ソフトバンクが2点を追う7回に劇的な逆転劇を演じ、2連勝とした。今宮健太内野手(26)が本塁にヘッドスライディングしてつかんだ勝ち越しの得点は、1度アウトと判定されたものの、リプレー検証でセーフにひっくり返ったもの。今宮が伸ばした左手が、一瞬のプレーを制し、鷹に大きな勝利を呼び込んだ。

<日本シリーズの神走塁アラカルト>

 ◆土井本盗 69年巨人-阪急第4戦の4回裏無死一、三塁。巨人は一塁走者が王、三塁走者が土井、打者は長嶋。フルカウントから王がスタートし、二塁送球を見た土井は本塁突入(長嶋は空振り三振)。左足を岡村捕手の両足の間に差し入れた。セーフの判定を下した岡田球審に暴行した岡村はシリーズ史上初の退場。テレビ中継のスロー再生ではアウトに見えたが、翌日の日刊スポーツなどには土井の足が本塁に達する写真が掲載された。

 ◆簑田ダイブ 77年巨人-阪急第4戦。1点を追う阪急は9回表、2死から代走簑田が二盗。代打高井の左前打で頭から本塁へ飛び込み、吉田捕手のタッチをかいくぐり同点。土壇場の逆転劇につなげる。

 ◆辻の伝説 87年西武-巨人第6戦。西武は8回2死無走者から安打で出た辻が、続く秋山の中前打で一塁から一挙に生還した。伊原三塁コーチは巨人クロマティが外野から緩慢な返球をするデータを事前に入手。中継に入る遊撃手川相が打者走者の二進をけん制する動きも研究済み。川相が走者辻から目を離した瞬間を見逃さず突入を指示した。

 ◆リプレー検証 シリーズで本塁上でのリプレー検証が適用されたのは昨年から。昨年の広島-日本ハム第2戦で6回裏、1-1の同点で広島は無死二塁から菊池が左前打。走者田中の本塁突入がクロスプレーとなり、白井球審の判定はアウト。すかさず広島緒方監督が検証を要求した結果、判定は覆りセーフ。これが決勝点になった。