大逆転劇が、あちゃ~。阪神は中日3回戦(京セラドーム大阪)を守備ミスのオンパレードで競り負けた。5回の4失点、そして8回の4失点とも四死球を含めた守りの乱れがズシリと響いた。金本知憲監督(50)も「もう1回、気を引き締めないと」と喝を入れた。勝率5割に戻り、明日10日は広島相手に甲子園開幕戦が待つ。さあ、仕切り直しだ。しまっていこうぜ!

 昨季リーグ5位の中日に負けるべくして負けた。日曜日の昼下がり。行楽日和の京セラドーム大阪は、みるみる重苦しさが充満していく。自滅だった。カード勝ち越しまであと1歩だったが、8回に崩壊。金本監督も嘆くしかなかった。

 「まあ、この3連戦を見て分かるように初戦に押し出し、暴投、投内連係…。これで、モロに点をあげているようなものだからね」

 悪夢は同点の5回だ。1死後、大島のゴロを深い位置で捕った一塁ロサリオがベースカバーに向かう能見に送球。難なくアウトのタイミングだ。だが、捕球しようとした能見がファンブル…。その間に大島が一塁を駆け抜けていく。能見は落球を防ぐために体勢を崩して転倒。そこからの暗転を、指揮官も指摘した。

 「去年もそうだけど、やっぱり当たり前にできることはやらないとね。普通のプレー。あれをアウトにしたから、ファインプレーじゃないんだから。普通のプレーなんだから」

 2死走者なしになるはずが1死一塁で上位打線を迎えてしまった。能見が「捕らないといけない。試合の中なので何とか落とさないようにしたんですけど…」と振り返れば、香田投手コーチも「31(一塁手から投手への転送)のプレーが悔やまれる。ああいうところでしょうね」と嘆く。後悔先に立たず。能見は連打に四球を与えて降板。2番手石崎も火に油を注ぐ。捕逸、押し出し四球、そして押し出し死球は大野奨の頭部へ。危険球退場となり、あっけなく4点を失った。

 打線が奮起して逆転した直後の8回はマテオが2者連続四球を与える致命的なミスを犯した。逃げ切るはずが自ら勝ちを手放し、金本監督は「2つの負けは四球と押し出し、暴投…。もう1回、気を引き締めないと、ホントに」と喝を入れた。6日の中日戦も先発藤浪のバント処理悪送球や押し出し四球が敗因になり、試合後、指揮官は「投内連係できないのも痛い」と指摘していた。その2日後、またも投内連係のミスから傷口が広がってしまった。

 昨秋は高知・安芸で、今年2月は沖縄・宜野座のキャンプで、徹底的に投内連係の練習を行ってきたが、シーズン序盤からほころびが出る。鉄壁守備は、頂点を目指す上で欠かせない。金本阪神3年目の課題が浮き彫りになった。

【酒井俊作】